2023年7月1日より、当院では子宮内膜刺激術(SEET法)を中止することに致しました。
胚盤胞移植の妊娠率の改善を目的に、二段階胚移植やSEET法が提唱されています。
当院では、2017年1月に開院して以来2022年3月まで、独自の考えによりSEET法は実施しませんでした。二段階胚移植は、本来の目的とは異なり時間短縮を目的として、当院でも実施することがありました。
2022年4月、ART保険適用の開始に伴い、二段階胚移植とSEET法が共に先進医療Aに位置付けられました。その際、二段階胚移植の適用条件は、SEET法を実施しても反復して妊娠に至らない症例に限定されました。この決定を受けて、当院では、二段階胚移植の選択肢を失うことが無いよう、SEET法を積極的に実施することにしました。
しかし、実際には、保険適用でのARTにおいて、初期胚凍結を選択する症例はほとんどなく、先進医療としての二段階胚移植を行う機会はほとんどないのが現状です。
また、2022年4月から2023年4月までに当院でSEET法を実施した192周期の臨床成績を検証したところ、残念ながら、着床率や臨床妊娠率を改善する効果は確認できませんでした。
これらのことから、2023年7月1日以降、当院ではSEET法を中止することに致しました。また、これに併せて、過去に凍結保存しているSEET液も廃棄することに致しました。皆様には、何卒ご理解を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
本件につきましてご質問がある場合は、受診予約をお取りいただいた上で、2023年8月31日までにご来院頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。
医療法人IVFクリニックひろしま 理事長 滝口 修司